サムティは、サステナビリティに関する取り組みをより一層推進するとともに、環境問題の解決に資する投資への資金調達(グリーン・ファイナンス)を通じて、持続可能な環境・社会の実現に貢献するため、またESG投資に関心を持つ投資家層の拡大と安定的な資金調達基盤の強化を図るため、グリーンローンフレームワーク※1を策定いたしました。
本フレームワークは、グリーンローン原則2021(LMA※2、APLMA※3、LSTA※4)、「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版」(環境省)に基づき、以下の4つの要素により構成されています。サムティグループは本フレームワークに則ってグリーンローン調達を行います。
企業や地方自治体などが、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために用いる融資のことです。①調達資金の使途がグリーンプロジェクトに限定される、②調達資金が追跡管理される、③それらについて融資後のレポーティングを通じ透明性が確保される、という特徴を持ちます。
本フレームワークに基づき調達された資金は、以下のグリーン適格クライテリア①を充たす物件またはプロジェクトの開発・購入資金、以下のグリーン適格クライテリア②を充たす改修工事等の資金、またはそれらに要した借入金のリファイナンスに充当する予定です。なお、プロジェクトにおける建物の用途はオフィスビル、賃貸住宅、ホテル、商業施設などがあります。
以下ⅰ~ⅲの第三者認証機関による環境認証のいずれかについて、ローン借入実行日時点で有効な認証を取得済み、または今後取得予定の建築物
なお、BELS評価においては、2024年4月の建築物の省エネ性能表示制度の改正・施行に伴い、2024年4月1日以降に建築確認申請を行った建築物の認証取得に関して、以下の適格クライテリアを適用します。
エネルギー消費性能レベル3以上(=BEI0.8以下)
エネルギー消費性能レベル2以上(=BEI0.9以下)かつ断熱性能レベル4以上
以下のⅰ~ⅳのいずれかを充たす改修工事等
グリーン適格クライテリア①はICMAの「グリーンボンド原則」(2021)で例示されている「グリーンビルディング」、グリーン適格クライテリア②は「省エネルギー(エネルギー効率)」のカテゴリーに該当します。
グリーン適格クライテリア①または②のリファイナンスに資金を充当する場合は、当初調達時から3年以内のリファイナンスを対象とします。
また、同一のプロジェクトに対して複数回のグリーンローンでリファイナンスを行う場合は、その資産の経過年数やリファイナンスされる額を開示し、長期にわたる環境改善効果について評価します。
対象物件によっては、環境・社会面の潜在的ネガティブ効果が発生する恐れがあります。環境・社会面に対してネガティブ効果が発生する場合は、対象物件への投資を見送る、または改善するよう是正するなどして、できる限りの環境負荷低減を図り、環境・社会面へのネガティブ効果に配慮する方針です。
また、既存物件の運用期間中においては、定期的に環境・社会面のネガティブ効果をモニタリングするとともに、ネガティブ効果の低減と物件の価値向上を図ります。
当社グループが事業を通じて実現を目指す環境面の目標は、気候変動の緩和です。本フレームワークにてグリーンローンの対象に選定する各クライテリアでは高い環境改善効果※が見込まれ、本ローンよる資金調達の実施は、当社グループのサステナビリティ基本方針に則したものとなっています。
個別プロジェクトの選定に当たっては、適格クライテリアを設定しており、プロジェクトにおける国の環境関連法令対応への遵守状況、各種許認可の取得状況、環境・社会面へのネガティブな影響とその環境保全措置等を確認したうえで、最終的に決定します。
不測の事態※1が発生し、当初想定していた環境改善効果が得られない場合※2、その後の対応方法について公表します。
本フレームワークに基づいて調達されたグリーンローンの管理は当社の財務部が行います。資金は調達額と同額が事業プロジェクトに充当されるよう、会計システムと台帳を用いて追跡・管理します。プロジェクトへの充当済み資金、未充当資金は、電子ファイルにて管理する予定です。
グリーンローンで調達した資金に未充当額が発生する場合は、未充当額と同額を現金または現金同等物にて管理します。また、資産の売却等により未充当資金が発生した場合は、適格クライテリアを充たす他のプロジェクトに再充当します。
調達資金に関連する証憑となる文書等については、当社の社内規程に基づき適切に管理する予定です。
レポーティングの概要は以下の通りです。
適格事業に関する開示事項 (資金調達毎に分けて概要を開示) |
開示タイミング | 開示方法 | |
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資金充当 状況 |
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資金充当完了までの間、年に1回 | 貸付人へ報告及び当社ウェブサイトにて公表 |
環境改善 効果 |
【グリーンビルディング】
【省エネルギー】ⅰまたはⅱの場合
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本ローン完済までの間、年に1回 | 貸付人へ報告及び当社ウェブサイトにて公表 |
なお、調達資金の充当計画に大きな変更が生じた場合や、充当後に充当状況や対象設備に大きな変化が生じた場合は、適宜開示します。
CASBEE評価認証制度 | DBJ Green building認証制度 | BELS | |
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内容 | CASBEE(建築環境総合性能評価システム)は、省エネや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建築物の品質を総合的に評価するシステム | 「環境・社会への配慮」がなされた不動産とその不動産を所有・運営する事業者を支援する取り組みとして2011年に創設された認証制度 | 第三者評価機関が省エネルギー性能を評価・表示する制度で、平成26年4月より非住宅において開始された制度。現在は、対象範囲が住宅に拡充されると共に、建築物省エネ法第7条に基づく建築物の省エネ性能表示のガイドラインにおける第三者認証の1つとして運用されている |
算定 要件 |
Q(建築物の環境品質・性能)及びLR(建築物の環境負荷低減性)の各評価項目の得点をもとに、下記の式によりBEE(建築物の環境性能効率)を算出 | 対象物件の環境性能のみならず、テナント利用者の快適性、防災・防犯等のリスクマネジメント、周辺環境・コミュニティへの配慮、ステークホルダーとの協業等を含めた総合的な評価 | 外皮性能及び一次エネルギー消費量によることを基本とし、その評価の方法は、省エネ基準による |
ランク |
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5つ星から1つ星 |
<旧BELS>5つ星から1つ星 <新BELS>
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借入先 | 調達額 (借入額)※ |
充当額 | 未充当額 | 借入 実行日※ |
資金使途 | 第三者機関 |
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700百万円 | 270百万円 | 430百万円 | 2024年 5月10日 |
グリーンビルディング(環境認証取得予定)の開発資金 | R&I |
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6,800百万円 | 2,951百万円 | 3,848百万円 | 2024年 3月29日 |
グリーンビルディング(環境認証取得予定)の開発資金 | R&I |
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500百万円 | 190百万円 | 310百万円 | 2023年 10月31日 |
グリーンビルディング(環境認証取得予定)の開発資金 | R&I |
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8,630百万円 | 6,700百万円 | 1,930百万円 | 2023年 8月31日 |
グリーンビルディング(環境認証取得予定)の開発資金 | R&I |
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2,700百万円 | 1,070百万円 | 1,630百万円 | 2023年 1月31日 |
グリーンビルディング(環境認証取得予定)の開発資金 | R&I |
合計 | 19,330百万円 | 11,181百万円 | 8,148百万円 | - | - | - |